京都大学で万能細胞培養に成功
京都大学の山中教授とが人の皮膚から胚性幹細胞(ES細胞)と同等の全能性を持つ「万能細胞」を作り出す事に成功しました。京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授はヒトの皮膚細胞に新しい遺伝子を組み込んで再プログラム化し、心臓、筋肉、脳組織など、様々な細胞に分化させる事に成功したのです。今後の医療に革命を起こすかもしれない京大の研究に世界中から注目が集まっています。
万能細胞
山中教授の京大グループは36歳女性の顔の皮膚を用いES細胞と同等の万能細胞をつくり出しました。胚性幹細胞(ES細胞)で発現している遺伝子の中に、体を構成する普通の細胞(体細胞)をリセットして万能性を獲得させる遺伝子があると考えたそうです。京都大学では24個の遺伝子を選定して、最終的に遺伝子の候補を四つにしぼり込み、マウスの尾から採取した皮膚のさいぼうに組み込んで培養したのです。これらはES細胞と同様の形態となり、様々な組織に分化する能力を獲得したそうです。
人間のES細胞研究は、脊髄(せきずい)損傷や糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな疾病の治療に役立つとの期待が寄せられています。一方では将来は人間に成長する胚を壊す為、生命尊重の立場からは万能細胞研究に反対する学者もいるようです。
京大の万能細胞培養
京都大学では皮膚の細胞から、様々な臓器や組織に育つ能力を秘めた新たな万能細胞を作製することにマウスの実験で世界で初めて成功していました。胚(はい)性幹細胞(ES細胞)に似た性質を持つ、この万能細胞を人間でも作ることができれば、患者と同じ遺伝子を持つ臓器が再生出来て、拒絶反応のない移植医療が実現すると期待されています。
京大の山中教授らは、ES細胞で重要な働きをしている遺伝子には、体を構成する普通の細胞を“リセット”して、発生初期の細胞が持っている万能性を備えさせる遺伝子があると考え、その候補として24種類の遺伝子を選定。その中から、「Sox2」などの遺伝子4種類を、ウイルスを使って、マウスの尾から採取した皮膚の細胞に組み込んで培養した。その結果、皮膚細胞は2週間後にES細胞と似た形態の細胞に分化した。
胚性幹細胞(ES細胞)とは?
胚性幹細胞(ES細胞)は受精卵が細胞分裂を始めて数日後の「胚盤胞」から、全身の組織に分化していく部分を取り出し、培養して作製する細胞。心臓や神経などの臓器や組織の細胞に分化する万能性を秘めており、けがや病気で傷んだ臓器などを治す再生医療への応用が期待されています。
ヒトの受精卵が32個から64個に増殖した段階で球体、胚盤胞が作られます。この胚盤胞段階で取り出したものが万能細胞です。
血液や脳、骨などあらゆる臓器や器官を形成することから「万能細胞」と呼ばれています。