ジャトロファ栽培へ投資 フィリピンでのバイオ燃料
バイオ燃料として注目を集めているジャトロファ(ヤトロファ)。フィリピンやインドネシア、アフリカ、中国などで栽培が増加しています。何故今になってこの植物が注目を集めているのでしょうか?その秘密に迫ります。
ジャトロファWikipedia
Wikiによればジャトロファ(ヤトロファ)はナンヨウアブラギリという名前の植物です。トウダイグサ科の中南米原産の落葉低木で16世紀に世界に広まっています。
乾燥地帯や、肥沃ではない痩せた土地でも栽培が可能であり、梅のような実をつけます。
ジャトロファの種子は毒性が強く、食用には向いていません。しかしオイル分を豊富に含んでおり、古くからこのオイルが様々に利用されています。アフリカなどでは昔から石鹸やろうそくなどが作られ、貴重な収入源になっていました。
ナンヨウアブラギリとして、日本では観葉植物として、お花屋さんなどで見たことがあるという方も多いかもしれません。日本においては冬場は芽を出しにくいようですが、近年では国内の気候に合ったジャトロファが大学などの研究によって開発されてきています。
ジャトロファの特徴
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1.種子よりの搾油量は菜種の約3倍、大豆の約5倍の植物油が搾油できる。
2.成長が早く、害虫や環境ストレスへの耐性がある。
3.油脂の性質が燃料に適している。
4.非食用油のため他の食用油との競合をしない。
5.丈夫な植物であるため、比較的安易に栽培できる。
これらをキーワードにして、フィリピンやインドネシアへの投資が活発化しています。
ジャトロファの投資
では発展途上国のジャトロファ栽培に投資することにメリットはあるのでしょうか?
ジャトロファは1ヘクタールあたり 5 トン程度の種子が収穫でき、その実から取れる製油がバイオディーゼル燃料(BDF)として注目されています。
毒性があるため食用にはならず、トウモロコシや大豆などといった食料のバイオ燃料と異なり、世界の食糧需給に関係しないとのメリットがあるとされます。
ジェトロファ果実の収穫は3メートル以上の高さであっても特段の問題が発生しません。ナンヨウアブラギリは枝が良くしなる為、実を引き寄せて収穫することが出来ます。また、食用でもないために、天災などによって木から落ちた果実でもバイオ燃料に使用することが可能なのです。
1本の潅木から得られる果実数が最終オイル取得量に大きく関係します。
投資効率として、トウモロコシや菜種の方がいいと考えられる場合もあるかもしれません。しかしこれらが栽培可能な地域はある程度限られます。しかしジャトロファの場合にはこれまで畑などとして使用されていない土地でも植林すれば栽培が可能なのです。
また近年CDM(クリーン開発メカニズム)によって、CO2の排出権取引が活発化しています。
CDMは先進国が開発途上国において技術や資金などを援助し、CO2などの温室効果ガス排出量の削減または吸収量を増加する事業を実施した結果、削減できた排出量の一定量を支援元の国の温室効果ガス排出量の削減分の一部に充当することができる制度のことです。
カーボンオフセットという言葉を聞いた事があると思いますが、これは「ある場所」で排出された二酸化炭素などの温室効果ガスを、植林・森林保護・クリーンエネルギー事業などによって「他の場所」で直接的、間接的に吸収しようとする考え方です。
簡単に言えばこのカーボンオフセットを一つの通貨としてしまおう、というのがCDMクレジットとよばれるものです。現在このクレジットを取得する為に、インドネシアやフィリピン、中国、アフリカなどにおいて、CDMの気候変動枠組条約公認事業を進める株式会社などが増加しています。
多くのジャトロファ関連株式会社が投資をするのは、このCDMに関わるからなのです。
バイオ燃料について
ヨーロッパでは90年代前半から休耕地でナタネやヒマワリなどを栽培し、バイオ燃料を製造しており、これらは自動車用燃料として利用されています。米国では80年代から主にバイオエタノール混合ガソリンの普及促進が進められています。近年バイオ燃料について、生産補助や税額控除の対象となっており、急速に普及拡大が進みつつあります。
これら、化石燃料に変わる代替燃料としてのジャトロファ、また、これまで農作に適していないとされていた土地での栽培可能性、発展途上国における雇用促進など、様々な面で注目が集まっており、投資としてのジャトロファも脚光を浴びつつあります。
フィリピンのジャトロファ
フィリピンは年間を通じて気温と湿度が比較的高い熱帯モンスーン型気候に属しています。年間降水量は1700ミリほどで27度前後の平均気温で寒暖の差があまりありません。
フィリピンではピナツボ火山の降灰によって、長きに渡り不毛の地とされてきた地域でのジャトロファ(ヤトロファ)栽培がされています。
発展途上国の一つであるフィリピンにおいてジャトロファを栽培することの意義は幾つかあります。
・栽培そのものがCO2などの温室効果ガス削減に寄与する
・食用植物を栽培できない土地を活用可能
・バイオ燃料・バイオディーゼルによって現地での化石燃料使用を削減可能
・日本などの先進国から技術移転ができ、現地の雇用促進につながる
上記のように様々な利点がありますが、日本からの投資という概念においてはCDMクレジットの取得可能性が一番注目されているのかもしれません。