結核
結核とは結核菌により引き起こされる感染症のことをいいます。労咳(癆痎、ろうがい)と呼ばれていた時期もあります。
肺結核が患者数も多くなりますが、肺だけでなく皮膚、リンパ節、咽頭、腸、胸膜、腎臓、骨、脊椎、脳など全身の臓器を冒すのです。背椎骨に感染する場合を脊椎カリエス、腎臓に感染した場合を腎結核と呼びます。現在ではストレプトマイシンなどの抗生物質が結核菌に効果があるという事が解り、死亡率は低くなっていますが、現在も注意を要する病気である事は変わりありません。
結核の症状
結核の初期段階では風邪に似たせきやたん、微熱、寝汗、だるさといった症状が現れます。結核の初期症状は風邪に非常に似ているので見過ごしがちとなります。3週間以上咳が続く場合には注意が必要です。結核の病状が進行すると血痰、さらには喀血(血を吐くこと)をします。
結核菌が体内に進入した後は比較的ゆっくりと病状が進みます。しかし進行すると肺に浸潤し、空洞を形成します。空洞の中で結核菌は繁殖し、咳や痰の中にまじって菌が空気中に吐き出され、他人に感染させることになります。
抵抗力のない高齢者や乳幼児が多量の結核菌を吸い込むと、短期間に重症化してしまいます。放置すれば重篤な症状を起こして高い頻度で死に至ります。
・胸部X線(レントゲン写真)および胸部CTの画像による診断
・慢性呼吸器疾患でないのに咳や痰が2週間以上続く場合
・痰の検査で結核菌が検出されたかどうか(培養検査、塗沫検査)
上記によって病院で結核か否かの診断を行うことになります。
結核の予防
排菌患者の咳やくしゃみによる飛沫中の結核菌を吸い込むことにより感染する空気感染が結核の感染様式となります。
栄養、休養、睡眠を十分とり、基礎体力を維持する事が重要と成ります。風邪と似た症状が長引く場合には、医師の受診をした方がよいでしょう。身近に結核にかかった人がいるなどの場合には定期健診などで胸部X線写真を受けるようにします。病院での検診や健康チェックにより早期発見、早期治療が必要です。肺結核は空気感染が懸念される為、排菌のある結核患者については「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」によって結核病棟へ入院することが義務づけられます。いわゆる隔離です。
結核の原因
人から人への伝染によって結核菌に感染します。
結核の発症危険因子を持つ人は、癌患者や大手術を受けた患者、ツベルクリン反応陰性の若年者、慢性呼吸器疾患患者(塵肺・肺気腫・慢性気管支炎)、免疫不全状態患者(エイズ、ステロイド投与、化学療法患者、糖尿病)、高齢者、不規則な食生活をしている人やアルコール常習者などとなります。
中高年者では、糖尿病、HIV感染者、白血病患者、副腎皮質ステロイド剤投与患者、抗癌剤投与患者、腎透析患者など、免疫機能が低下している人が結核に感染し易くなります。
治療をきちんと行い完了した場合の再発率は5%未満とされます。しかし、治療の中断や、耐性を獲得した結核菌もあるため、ストレプトマイシン・イソニアジド・リファンピシン・ピラジナミド・エタンブトールといった抗生物質を併用した治療が行われています。