痔
痔は肛門周辺の静脈の血流が滞ることによって起こる症状の総称です。便秘などで強く踏んばったり、硬い便が通過するときに、肛門の周りと便がこすれることで傷が出来てしまいます。さらにそこにばい菌が入ったりします。そうするとその部分に様々な症状が起きてきます。これが痔です。
直腸癌やクローン病、潰瘍性大腸炎といった慢性で重症な病気が痔の裏側に隠れていることもありますので、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。
痔の症状
痔は痔核(いぼじ)、痔瘻(じろう)、裂肛(きれじ)の三つに分類が出来ます。
上記のうち5割が内痔核、外痔核、脱肛などの「いぼ痔」、2割5分が肛門の周囲が化膿する「痔ろう」、1割5分が硬い便で切れて痛い「切れ痔」となります。
キレ痔では排便時に「痛い」というような症状と、時に出血または紙に血が付くような症状も出ます。
いぼ痔では痛みがない場合も多く、ある日突然に排便後、便器が血で真っ赤に染まることがあります。重症となるといつも肛門の外にイボ痔が出て入らない脱肛という症状になります。この為に粘液が出て肛門がかゆくなり、出血、違和感があり、常に不快な状態となります。
痔の種類
痔裂(切れ痔):肛門内部の粘膜の表面に亀裂や潰瘍を形成します。神経過敏な部位ですので、小さな傷でも排便時非常に痛みがあります。痛みのために、反射的に内括約筋がケイレンを起こすので、ケイレンが続いている間、ずっと痛みが持続してしまいます。出血を伴うこともありますが、出血量は多くはありません。
痔核(いぼ痔): 肛門の周りに集まっている静脈がうっ血を起こして、血管がイボやコブのように膨れ上がってしまったものを呼びます。内痔核と外痔核があります。
痔瘻(ぢろう・あな痔):便の中の細菌(主に大腸菌)が肛門の一部から進入し、炎症がおきて、膿がたまって肛門周囲にトンネルをつくって排膿するもののことを呼びます。常時分泌物が出て、不快感があるのが特徴です。
痔の原因と予防
痔裂(きれ痔):硬い便が切れ痔の原因です。排出する際に、肛門の出口あたりが切れてしまいます。
痔核(イボ痔):人の直腸肛門部には静脈が網の目状に集中しています。元来血液の循環が悪く、静脈血がたまり易い場所なのです。便が出難いとき、自然に力みます。結果的に、血管に血液が充満して広がります。繰り返しこの状態が起こると、血管が膨らみっぱなしにとなり、元に戻らなくなります。この状態をいぼ痔と呼びます。
便秘とは逆に、下痢が続いて肛門部の刺激が過剰になる場合も原因となります。粘膜面に軽い炎症や充血が起こり、を繰り返すうちに、次第にうっ血がひどくなり、イボ痔が発生してしまう場合があります。
便秘・下痢以外に、うっ血をきたし、痔になりやすい原因としては、「長時間の座業」「腹圧が常にかかるような仕事・スポーツ」「妊娠・出産」「腰部の冷え」「刺激性食品のとりすぎ」などがあります。
痔瘻(ぢろう・あな痔):痔ろうは、便の中の細菌が原因となります。歯状線のデコボコの窪みから細菌が入り込みます。正常な便は素通りしますが、下痢便や水便の場合入り込んでしまうことがあります。
痔の予防
・おしりを常にきれいに保つ
・毎日おふろに入る
・排便の際にはいきまないように
・おしりを冷やさないようにする
・下痢や便秘にならないようにする
・酒、タバコ、コショウ、唐辛子などの刺激物や、脂っこいもの、甘い食べ物はなるべく避ける
・座りっぱなし、立ちっぱなしなど同じ姿勢を続けない
普段の生活で心がければ痔になり難い体を作ることができます。生活習慣改善が痔を治療する上でも重要となります。