食道がん
食道がんとは下咽頭から胃に至る28cmくらいの長さの食道粘膜に発生する悪性細胞(ガン)のこととなります。食道は、喉から胃まで食べ物や液体を移動させる空洞状の管です。この食道壁は、粘膜、筋肉および結合組織を含む幾つかの組織層から構成されます。
食道がんは食道内側から発生して、その成長と共に外側に広がっていきます。早期に発見された場合、治癒の可能性が高いのですが、食道がんと診断された際に、すでに病期が進行した状態である場合があります。代表的な治療方法には、内視鏡治療、手術、放射線治療、抗がん剤治療があります。
食道がんの初期症状
食道がんは、食道に何かある感じ、食べたり飲んだりする時のしみる感じ、食べ物が飲みにくいなどの嚥下(えんげ)障害が現れた段階では、進行性の食道がんであったり、食道の運動異常をきたす疾患である可能性があります。
初期症状として下記のような症状が見られた場合にはすぐに病院で検診を受けるようにしましょう。
* 嚥下時疼痛または嚥下困難
* 消化不良と胸焼け
* 胸骨背部の疼痛
* 声のかすれと咳
* 体重減少
0期(上皮内がん):0期(上皮内がん)では、異常な細胞は食道内側細胞の最も内側の層のみに限局して認められる。
I期:がんが形成され、組織の内側の層を超え、食道壁の次組織層まで拡がります。
II期:食道がんは、どの程度拡がっているかによってIIA期とIIB期に分けられる。
IIA期:食道筋層または食道外壁にまで拡がった状態。
IIB期:食道における最初の3層のいずれかまで拡がり、隣接リンパ節まで拡がっている場合がある。
III期:食道外壁まで拡がり、食道に隣接した組織・はリンパ節にまで拡大。
IV期:食道ガンがどの程度まで拡がっているかによって、IVA期とIVB期に分けられる。
IVA期:がんは、隣接または遠隔リンパ節にまで拡がっている。
IVB期:ガンは、遠隔リンパ節および身体の他の部位における器官の両方またはいずれかまで拡がっている。
比較的転移しやすいがんで、隣接する気管や肺、喉頭(こうとう)、甲状腺、胸膜、さらには、肝臓や脳、骨などに転移します。進行した病期では、食道がんに対して治療は行えますが、治癒する可能性は稀なので、早期発見を心がける事が重要となります。
食道がんの種類
腺がん:ガンは(分泌)腺細胞中に発生します。食道内側の腺細胞は粘液などの体液を産生し、放出します。通常、腺がんは胃の付近の食道下部に発生します。
扁平上皮細胞がん:ガンは食道の内側にある薄くて平坦な細胞である扁平上皮細胞中に発生します。このがんは食道の上部および中央部に最も頻繁に発生しますが、食道に沿ってあらゆる場所に発生する可能性があります。これはまた類表皮がんとも呼ばれています。
食道がんの原因
日常生活における誘因は、過度の飲酒、喫煙が原因として指摘されます。慢性で長期にわたる刺激因子が癌の場合には重要視されます。アルコール摂取との関連においては、アルコール代謝酵素の欠損症例が、食道がんや下咽頭がんの合併例に多いことが判明しています。
日本人の40%は、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の活性が欠損していて、アルコールが分解されて出来るアセトアルデヒドを分解することが出来ないのです。アルデヒドには発がん性が認められ、体内に残留することで、食道ガンの発生に関係している可能性が指摘されています。
バレット食道:食道下部の内側にある細胞が変化したり、食道がんを発生し得る異常細胞に置き換わったりしている状態です。胃の逆流(食道の下部に胃内容物が逆流する)は食道を刺激して、時間の経過とともにバレット食道を誘発する可能性があります。