肝硬変
肝硬変とは慢性肝炎が長期間続くことで肝臓内の肝細胞が壊れて、代わりにいわゆる筋と似た組織が増加して肝臓全体が硬くなって肝機能が低下する疾患のことです。
肝臓がん・胆道がん・膵臓がんに打ち克つ!自覚症状や検査、治療法の最前線から手術後の問題まで患者さんや家族の素朴な疑問に消化器がんの名医が痒いところに手が届くように答えます。
肝硬変の症状
肝硬変では特徴的な自覚症状はとくにありません。しかし胸や背に、にきびに似た赤い斑点(クモ状血管腫)が出たり、男性なのに乳房が大きくなるなどの症状が現れます。女性化乳房と呼ばれる肝硬変のサインの1つです。長い間肝臓に障害がある人の手は、手のひらの真ん中を除いて異常に赤くなります。
肝細胞は障害を受けても再生するという能力を持ちます。慢性肝炎では、ウイルスにより肝細胞が障害を受けたあと、再生を繰り返します。壊死と再生が繰り返されると再生に伴う繊維の増生が起こり、肝細胞は繊維に囲まれながら再生結節という肝細胞の塊が生じます。次いで肝小葉の構造が変化して機能障害が起こるのです。こなると簡単には元に戻らなくなります。
へそを中心とし、四方に拡張した血管が浮き出てみえる症状(メドゥサの頭とよばれる)が出たり、更に症状が進んだ場合には黄疸といって皮膚が黄色っぽくみえるようになります。食道や胃の静脈瘤が破れてしまうと、吐血やコールタールのような血便がでたりします。大量の出血が見られるのが肝硬変の特徴でも有ります。肝硬変で緊急事態となるのは、消化管出血、肝性昏睡です。
肝硬変の治療
お腹がなんとなく膨らみ、横から見たときに下腹部が異常に飛び出したり、あお向けになったときにもお腹が横へ広がるようなら、お腹のなかに腹水が溜まっている恐れがあります。
一度肝硬変にかかると正常の肝臓に戻ることはありません。肝機能を平常に保つ為の治療が必要になります。肝硬変の治療は、進行状態や時期により随分と異なります
肝硬変が代償期にある場合は、外来通院で経過をみます。しかし腹水、黄疸、静脈瘤破裂などの症状が既に出てきている場合(非代償期)の肝硬変においては、入院が必要になります。
肝硬変の原因
肝硬変は主にウイルスやアルコールなどが原因となって肝細胞が障害を受け、肝小葉の形が変わる疾患のことで、病理形態学的に次のように定義されます。
・肉眼的に再生結節の形成が見られる。
・肝細胞の壊死・脱落をともなってグリソン鞘と中心静脈または肝静脈間に線維隔壁が出来る。
・びまん性の病変である。
・肝小葉の構造が変わり、循環動態に異常を示す。
肝硬変の原因は、日本ではB型およびC型のウイルス性肝炎が大部分を占めています。しかしながらヨーロッパやアメリカで多くみられるアルコール性肝硬変は、日本では、肝硬変全体の6分の1程度となっています。
肝硬変で肝小葉の形が変化すると門脈血流が滞り、代謝などに使われる肝臓の有効血流量減少を引き起こします。これにより門脈圧が上昇し行場を狭められた門脈圧は、門脈側副血行路を作り出し心臓に帰ろうとします。静脈が太くなり肝臓の外にバイパスが作られます。これにより消化管から吸収された物質は肝臓において代謝されず、大循環へ直接流れます。