十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍は消化性潰瘍とも呼ばれ、十二指腸の壁が胃酸で消化されてしまい、傷ついて掘れた状態のことを指します。十二指腸は胃と小腸の間にあり、胃潰瘍も同じ疾患です。場所が異なるだけです。生活の欧米化に伴って、日本でも十二指腸潰瘍が増加傾向にあります。
粘膜に炎症が生じると、胃や十二指腸の粘膜は多少を問わず影響を受けます。粘膜が深くえぐり取られたものを潰瘍、浅い変化しか生じなかったものをびらんと呼んでいます。
十二指腸潰瘍の症状
十二指腸潰瘍の初期症状は食事に関係する心窩部痛、いわゆる「みぞおち」の痛みが代表的です。胃潰瘍では食後30分から1時間たったあとの上腹部痛や空腹時、もしくは夜間に多く、食事をするといったん痛みが治まりますが、しばらくすると再度起こる場合もあります。十二指腸潰瘍では空腹時・とくに夜間が多いようです。
またむねやけや悪心嘔吐、上腹部不快感、食欲低下、背部痛などもみられ、潰瘍からの持続的な出血がある場合には、吐血または下血として症状が現れてきます。こういった症状が現れてしまった場合には早急に医師の診断を受けるようにしましょう。ピロリ菌による胃炎や十二指腸炎では、その部位に白血球細胞が集まって来るので、炎症が発生しているかどうかは白血球の集まり方を検査すると判明します。
十二指腸潰瘍の予防と治療
胃潰瘍は、40代以降の人が多く、十二指腸潰瘍は20代の若年層に多いといわれています。以前は胃・十二指腸潰瘍が治癒したあと、何も治療をしなければ、1年以内に約70%が再発を起こしていました。しかし維持療法を行うと、1年の再発率が10~20%くらいにダウンします。ピロリ菌の除菌療法が主流となった最近では、維持療法なしでも1年後の胃潰瘍の再発率は10パーセント、十二指腸潰瘍は5パーセント程度と極めて低くなってきています。エヌセッド服用することによる十二指腸潰瘍の場合は基本的にエヌセッドの服用を中止することが一番効果的です。しかし他の疾患がある場合には服用を中止できないこともあります。こういった事例には、胃粘膜プロスタグランジンを補充する、プロスタグランジン誘導体の投与が行われます。
胃もしくは十二指腸潰瘍の診断に重要な検査はバリウムによるX線造影検査と内視鏡検査となります。
十二指腸潰瘍の原因
十二指腸潰瘍の原因ではピロリ菌とエヌセッドが2大成因とされています。ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に由来するものが十二指腸潰瘍で95%、胃潰瘍で70%程度となっています。またアスピリン等のエヌセッドと呼ばれる非ステロイド性消炎鎮痛薬には、胃酸から胃粘膜を守るのに重要な役目をするプロスタグランジンの合成抑制作用があり、エヌセッドを服薬することで、胃や十二指腸の防御障害が起こり潰瘍を形成してしまいます。
急性十二指腸潰瘍潰瘍は、ストレスや薬剤、刺激性の食物、アルコールなどが原因で生じる場合が多くなります。また季節の変わり目や、仕事のストレスや家庭等の環境変化がきっかけとなる場合も多いようです。煙草や暴飲暴食などの生活習慣は十二指腸潰瘍の危険因子となります。
男性の方が女性より3倍ほど患者数は多くなります。女性はストレス耐性が強いからといった説も有ります。いずれにしても、非常に凝り性、几帳面といったような性格の場合には注意が必要です。うまく気分転換したりストレス解消出来ない場合にはストレスを知らず知らずため込み、十二指腸潰瘍になりやすいのです。