すい臓がん
すい臓がんとは膵管から発生し、充実性の腫瘤を形成して浸潤、転移を起こしやすい膵管がん(通常型膵がん)を指します。膵臓のがんの9割以上を占めているといわれています。日本では高齢化とともに急速に増加しつつあり人口10万人当たりの罹患率は10人程度まで増えています。またすい臓がんは男性に多く、発生年代は50代以上が多くなります。
遠藤健(エンドウタケシ)
東京・広尾、日本赤十字社医療センター消化器外科(大腸肛門外科)部長。49年10月27日、東京生まれ。75年東京医科歯科大学医学部卒業。同大学第二外科学教室へ入局。79年日本赤十字社医療センター外科に勤務。現在、同病院の外科部長をつとめる。
ガン治療は最終的に手術しかない!日赤医療センターで、五千件以上の手術をした遠藤医師のガン手術をレポートしています。
すい臓がんの症状
すい臓がんは消化器のガンのなかでも治りにくいがん(難治ガン)の代表です。初期症状があまりなく、すい臓がんと診断された時にはかなり進行している事が多いのです。膵臓周囲の臓器に広がっていることも多く、肝臓等にガンが転移して、80%程度は外科手術をしても助からないそうです。仮にすい臓がんを切除可能でも早い時期に再発してしまう恐れが多くなります。
初期症状としては、上部腹痛と胃のあたりの不快感、食欲不振、黄疸が多く発生します。黄疸は皮膚や白目が黄色くなったり,身体に痒みを生じたり、尿が濃い黄色になったりする症状です。黄疸は膵頭部にガンが出来、胆管がつまった場合に生じますが、黄疸症状自体は癌以外の肝炎や胆石などが原因であることも多いのです。
また腰背部痛、全身倦怠感、体重減少などが続きます。基本的には症状があまりないのが特徴で、発見を困難にしています。
膵体部や尾部のガンの場合の症状は、上腹部痛や腰背部痛が多く、また腹部膨満、体重減少、下痢、便秘、糖尿病の悪化といったように様々な症状が現れる為、超音波検査やCTによって見つかる事が多くなります。
すい臓がんの治療
すい臓がんの治療法は、外科手術、化学療法、放射線治療の3つになります。
放射線治療では放射線を患部に照射しガン細胞を制御します。普通は身体の外側から放射線を照射しますが。しかし手術中にすい臓がんだけに放射線を照射する術中照射法もあります。
化学療法では抗がん剤でガン細胞を制御します。通常、全身化学療法といって、抗ガン剤を点滴し全身に行き渡るようにする治療法が用いられます。膵臓以外の転移病巣にも効果が期待出来るのですが、逆に副作用にも注意が必要となります。
外科手術では、癌の病巣を切除・摘出する手術となります。手術はすい臓がんの場所により異なります。
膵頭部ガンでは、膵臓の頭部から体部にかけ、十二指腸、小腸一部、胆嚢、胆管などを切除する膵頭十二指腸切除術を実施します。また、膵尾部にガンがある場合、膵臓体部・尾部と脾臓を切除する膵体尾部切除術を実施します。
前述したように、すい臓がんの病期によってはガンを切除できないステージに進んでいる事もあります。十二指腸が詰まり食事が摂取不可能になるのを防止する為に胃と腸をバイパスしたり、黄疸を防ぐ為に胆管と腸をバイパスするなどといった手術が実施されます。
すい臓がんの原因
すい臓がんは胃ガンや大腸ガンに比べ5分の一程度にも関わらず、国内におけるガンによる死亡原因の第5位となっています。糖尿病や糖尿病の急な悪化が膵臓ガンの診断のきっかけになる場合もあります。糖尿病の治療を受ける場合などは膵臓がん検査を受診した方がよいかも知れません。
原因因子には肉を中心とした食生活や、喫煙、車の排気ガス、その他化学物質などが挙げられています。