悪性リンパ腫
悪性リンパ腫とは血液のがんで、リンパ系組織から発生する悪性腫瘍のことです。リンパ腫には良性という概念は無く、すべて悪性となります。悪性リンパ腫とは、白血病や骨髄腫と同じ血液のガンでリンパ節や胸腺、扁桃、脾臓などのリンパ組織に腫瘍ができたり、リンパ球がガン化したもののことです。5年生存率は他の癌などに比べても比較的高い率となっています。
悪性リンパ腫は、血液内科医、腫瘍内科医、放射線科医、病理医のいずれにとっても重要ではあるがわかりにくく治療選択に迷わされる疾患群。一般人にとってはなおさらである。悪性リンパ腫患者の診療を専門としない若者医師を第一の読者対象として、悪性リンパ腫という疾患と治療選択に関する理解を深めて頂くことを目的とした本。
悪性リンパ腫の症状
首の付け根のぐりぐり(リンパの腫れ)が一番発見し易いといわれており、自分でわかる症状はそれくらいです。しかしリンパの腫れの原因は風邪や局所の炎症、伝染性単核症(若い人で、圧通がある場合に多い)、風疹、梅毒、結核、野兎病(圧通有り)、白血病、サルコイドーシス、癌転移、そもそも腫れ易い場合など悪性リンパ腫に限りません。
悪性リンパ腫がおこるリンパ系組織は全身を巡っており、肉腫及び癌腫の癌とは異なって、外科手術による切除は行わず、主に放射線療法や化学療法を適応して治療がなされます。
全身の倦怠、発熱、ねあせ、体重の減少などが症状として出る場合があり、これらの全身症状は予後不良因子とされるB症状と呼ばれています。
悪性リンパ腫の治療
悪性リンパ腫は、腫瘍の組織的な違いによって、「ホジキン病」と「非ホジキンリンパ腫」に大別されます。中でも細胞の種類、腫瘍細胞の増殖の仕方や、がん細胞の形などから、30種類以上のタイプに分類されます。もちろん、治療の仕方もこれらの種類によって異なります。
リンパ腫の病期分類
I期:一つのリンパ節領域または一つのリンパ組織(脾臓、胸腺、扁桃腺)の病変、もしくは一つの非リンパ性臓器の限局性病変
II期:横隔膜を境にした同側、二つ以上のリンパ節領域にわたる病変(II期)、もしくは一つの非リンパ性臓器への限局性病変を伴う一つ以上のリンパ節領域の病変
III期:横隔膜の両側にわたるリンパ節領域、リンパ節以外の臓器又は部位の限局的侵襲を伴うもの、脾臓の侵襲を伴うもの、その両者を合併しているもの
IV期:一つ以上のリンパ節以外の臓器又は組織へのびまん性の浸潤で、リンパ節腫大を問わない
悪性度にには高・中・低があります。低悪性度は年単位、中悪性度は月単位、高悪性度は週単位で進行します。低は進行は遅いが、完治し辛いといわれ、高は進行は早いが、抗がん剤が効果的などという特徴があります。
治療法には化学療法、手術療法、放射線療法、同種移植、自家移植、リツキサンなどが挙げられます。
化学療法:抗がん剤治療。白血病と同様に抗がん剤が非常に良く効く病気とされています。DNAに作用して、細胞分裂させずに細胞を抹殺します。DNAの異常により、アポトーシスを行う事無く永久に分裂を繰り返すガンを消す化学療法ですが、正常細胞にも影響を及ぼすので注意が必要です。ガンが耐性を簡単にもてない様、通常多剤を併用します。
放射線治療:患部に放射線を当て細胞が分裂して数を増加させる能力を奪います。
悪性リンパ腫の生存率
ホジキン氏病の5年生存率は病態の良い場合70~90%、病態が悪い場合50%前後、進行形の悪性リンパ腫の生存率は約70パーセント程となっています。
ちなみに悪性リンパ腫は一般に男性に多く見られ 、その男女比を見ると23対1というほど大きな開きがあります。
運動・食生活・休養・飲酒・喫煙などの一般的な生活習慣が、疾病の発症・進行に関係しており、予防や進行を遅らせる事が出来るといわれています。生活習慣病予防を心がけ、日常生活をする事が重要です。