咽頭がん
咽頭ガンは男性に多いのどのガンですが、下咽頭がんに関しては女性の比率が比較的高いとされます。頸部の食道や喉頭にまで及んでいる場合が多く、頸部食道ガンと呼ばれる事もあります。のどがつかえるような感じから始まり、次第に、声がかれる、のどにつかえて食べにくい、飲む込むときに痛いなどの初期症状が現れます。年齢的には50から60歳代に多く発生します。
『AV女優』などの話題作でインタビューの名手として知られる永沢光雄が43歳の或る日、下咽頭がんの手術で声を失ってしまった。その闘病生活を1年にわたり赤裸々に日記に綴った一冊です。朝起きる。ひどい首の痛み。そして、呼吸困難。鼻につながる気管も切除され、呼吸は左右の鎖骨の間に空いた穴から行う。全身にどんよりとした疲れ。まず最初の日課は焼酎の水割りで大量の薬をのどに流し込むことだ。そんな日々でありながら、筆者の筆致はユーモアに満ち、声を失った自分を時にはおかしく、時には哀しく描いている。下咽頭ガンと闘い、何があっても生きる。だから、みんなも、毎日がつらくても生きて欲しい。他者への暖かいまなざしを持ち続ける永沢光雄のそんなメッセージが行間にあふれています。
下咽頭がんの症状
下咽頭がんは初期症状は殆んど無い疾患です。のどの異物感や、つばを飲み込む時のひっかかり感などの症状がある場合には注意が必要です。症状が無いことと観察しにくい場所であるが為に、下咽頭ガンが早期に発見されることは稀で、大抵の患者はガンが進行してから発見されることになります。
早期発見のためには、自覚症状に敏感であることが重要です。声がかれる、のどが痛いなどの 症状が長引く場合、必ず耳鼻咽喉科医師の診断を仰ぐ事が懸命です。
ガンが進行すると、嗄声や、飲込み障害などの症状が現れます。場合によっては呼吸困難になる時もあります。頸部リンパ節転移が下咽頭がん発見の初発症状となることもあります。
下咽頭癌は症状が現れるのが遅く、ファイバースコープなどでも発見しづらい場所に発生するため、どうしても進行してからの発見が多くなります。したがって予後は悪く、残念ながら5年生存率は30%以下とされます。
下咽頭がんの治療
下咽頭は、のど仏の裏にある食道の入り口部分です。食べ物や飲み物の飲込みに関わるだけでなく、間接的には発声や呼吸にも関わる器官です。治療の際には上記の機能に配慮すべきですが、下咽頭がんの悪性度を考慮した場合、根治治療を行う場合は、発声などの機能の犠牲を伴う治療が現在では主体です。放射線療法だけでは治らないことが多いため、放射線と手術を併用し、さらに転移の防止を兼ねて化学療法も加えられます。
癌の病期が初期にあたる時点では、部分切除を検討していく余地があります。適応は限局した病期に限定すべきとされています。下咽頭ガンに、食道ガンが合併する頻度は約30%程度と高確率になり根治治療計画では食道ガンの有無も重要な要素となります。
手術では、下咽頭部の一部のみを切除することもありますが、多くの場合、下咽頭と喉頭を全部 摘出します。こういった手術による治療では欠損部を補うなどの再建術が必要になります。
下咽頭がんの原因と予防
下咽頭ガンを含めた咽頭がんの予防の第一は禁煙です。女性よりも男性に多い病気であるというのは喫煙率にも関連性があるかもしれません。発生の原因は未だ未解明ですが、飲酒や喫煙に関連性があると指摘されています。新鮮な空気を吸い、皮膚や身体機能を鍛えるようにしましょう。これらは気道粘膜の抵抗力の強化に良いとされます。
熱い食べ物や辛い刺激の強い食べ物を好む人も咽頭の粘膜細胞が常に傷つき、細胞の遺伝子がガン化し易くなります。酒や煙草、 刺激のあるものを摂取する機会が多い人は遺伝子を傷つける可能性が高まるため咽頭ガン発生の危険性が高まります。強いお酒は粘膜を傷付ける原因となるので出来うる限り控えるようにしましょう。どこも悪くないからといって健康診断を受けずにいると、いつの間にか病気が発症し、自覚の無いままに徐々に症状が進行してしまう危険性が高まります。