子宮肉腫
子宮肉腫(しきゅうにくしゅ)とは主に40~60歳の女性に多い、子宮の上皮以外の成分から発生する腫瘍です。肉腫は体ガンより悪性度が高く、生存率・予後は極めて不良とされていますので注意が必要です。また子宮肉腫の多くは子宮筋腫と誤診されているという事実があります。子宮筋腫という診断で「単純子宮全摘出術」を行い、術後病理標本で「肉腫」と判明するというケースが大半のようです。ただし子宮肉腫は婦人科のガンの中でも稀な病気となり、子宮体ガンの5%以下とされています。
子宮肉腫の症状
子宮肉腫は子宮体部の筋肉から発生することが多い疾患で、子宮筋腫と区別がしにくいとされています。筋腫として手術した後に、病理検査結果で子宮肉腫と判明する場合があります。
子宮肉腫の初期症状はほとんどありません。子宮肉腫の中で最も頻度の高い平滑筋肉腫は腫瘤(しゅりゅう)が成長がスピードが早く、腫瘍の触知、腹痛、違和感といった下腹部膨満感の症状が現れます。特徴的な症状はありませんが、出血や下腹部の違和感があれば婦人科を受診することが賢明です。
診断・経過観察に必要な検査は血液・尿・超音波検査(エコー検査)・CT検査・MRI・生検(細胞診を含む)などとなります。
子宮肉腫の生存率と治療
ガン肉腫、子宮内膜間質肉腫は体ガンと同様にI期ならば、5年生存率は9割以上。しかし子宮肉腫の5年生存率は進行度によって違いますが、全体で生存率30~40%と予後は不良です。
子宮肉腫のステージは下記の通りです。
I期:肉腫は子宮の中にあって、まだ子宮の頸部には出てきていない状態。
II期:肉腫は子宮の頸部にまで拡がっている状態。
III期:肉腫は子宮の外に拡がっていますが、まだ骨盤内にとどまっている状態。
IV期:肉腫は膀胱(ぼうこう)、直腸に進展しているか、骨盤を越えて拡がり、身体の他の部分に転移している状態。
子宮全摘術および卵巣と卵管などの両側付属器の切除手術が基本的な治療法となります。逆に手術以外で助かる可能性は極めて低い病気です。リンパ節の生検やきれいに切り除く治療手術も、必要に応じて実施されます。子宮肉腫が進行しており、手術が不可能な時には、放射線療法や化学療法が適応されます。再発予防のため、手術後にも抗がん剤を内服、または静脈注射するなどの化学療法や高エネルギーX線をしようした放射線療法が追加されます。組織型によって、大量黄体ホルモン療法が有効な場合があります。
子宮肉腫の原因
他の悪性腫瘍と同様に、子宮肉腫の原因は突然変異による何らかの遺伝子異常によって引き起こされているとされます。また、骨盤への放射線照射歴とも関連するとされています。
子宮内膜がんでは女性ホルモン値の高い方や、高血圧、肥満、糖尿病といった病歴を持つ方はリスクが高くなります。しかしながら子宮肉腫は、こういったホルモン状態や、他の病気とはほぼ関連性がありません。
子宮肉腫は成長が早いために、腫瘍の壊死を伴うことも多くなります。こういった特徴は超音波検査で診断することが可能となっています。生存率を勘案しても、早期ステージでの発見と早期治療が最も重要となります。