乳腺線維腺腫
乳腺線維腺腫とは10代後半から30代の性成熟期の女性の乳房に発生する良性乳腺腫瘍のことです。しこりの大きさは小豆大からクルミ大程度。柔らかく弾力性に富んでおり、球形や楕円形をしています。表面は滑らかで周囲組織との境界は明確になっています。
乳腺線維腺腫の症状
乳腺線維腺腫(にゅうせんせんいせんしゅ)の症状は一般的には徐々に肥大化します。しかし3cm程度まで大きくなると成長が止まることが多くなり、のちには縮んで消失してしまう場合もあります。しかし逆に急速に増大する葉状腫瘍と呼ばれる特殊な乳腺線維腺腫もあります。
乳がんと同様に、痛みを伴わない乳房腫瘤として発症します。症状は指で触ると皮膚の下でコロコロとよく動いて痛みはありません。乳がんと比べれば軟らかく、弾力性に富むことが多いといわれていますが、厳密には触診だけで区別することは困難です。
基本的には触診でしこりを確認してから、以下の検査で乳腺の形状異常を確認します。
1.超音波検査
2.マンモグラフィー
3.穿刺して細胞採取検査
乳腺線維腺腫の治療
乳腺線維腺腫の治療を行う場合には専門医や病院にきちんと診断してもらう事が必要となります。念のために乳ガンなど悪性疾患かどうかも診てもらったほうが良いでしょう。目立つならば、美容外科などで切除手術をしているところもあります。経過観察をしてしこりが徐々に大きくなって3cm前後になれば、局所麻酔で手術が終了する場合もあります。殆んどの場合は入院は必要ありません。手術自体は20分程で終了します。傷跡も見た目には解らないように丁寧に縫合してくれます。しかし女性の立場からすると、乳房にメスを入れる事は精神的な影響もありますのでよく医師と相談するようにしましょう。
症状がある場合にも小さな線維腺腫であれば経過観察だけで切除治療の対象とはならない事もあります。大きくなって明らかに見た目が悪かったり、発育が比較的早く進む巨大線維腺腫などとなります。これらの頻度はあまり高くない場合が多いです。線維腺腫がガンへと病変が進む事はありません。しかしながら治療の判断において切除が必要になった場合、手術跡が目立たないように乳輪切開、乳房下切開といった手術方法が取られます。
乳ガン検診でもマンモグラフィーなどで境界明瞭な類円形透亮像または粗石灰化を伴う腫瘤として乳腺線維腺腫は検出されることが多いようです。特に閉経期前後においては自然退縮する事が多く長径1cm程度の円もしくはポップコーン形の石灰化腫瘤としてマンモグラフィーで検出されるばあいが多くなります。
乳腺線維腺腫の原因
思春期以降に発症する患者が多く、乳腺線維腺腫は卵巣ホルモンが症状の発症原因とされています。思春期に小さな線維腺腫ができ、だんだんと増大して二十歳を過ぎると明確に触れられる腫瘤として患者が自覚することが多くなります。乳腺線維腺腫の進行速度は患者によって個人差が大きく、症状が自覚されるのも10代後半から40歳前後までの年齢と幅が広くなります。両側に発症することも、片側に多発することもある疾患です。