母子感染:B型肝炎・エイズ
母子感染とは母体からなんらかの病原体(ウイルスや菌など)が赤ちゃんに感染すること。胎盤を通じた感染、分娩時の産道感染のほか、母乳を介しての感染もあります。胎内感染、分娩時感染、経母乳感染の3経路が母子感染です。エイズやB型肝炎ウイルスはどの経路でも感染の可能性があります。
B型肝炎の母子感染の
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによっておきるもので、主に血液によって感染します。母子感染は体の中にB型肝炎ウイルスをもっている人が妊娠した場合に、妊娠時や出産時に母親の血液が子どもにふれることによってB型肝炎ウイルスが母子感染するすることがあります。C型肝炎と異なり最初に感染すると発症率が高く急性肝炎(一過性肝炎)として発症する事例があります。
母親がB型肝炎ウイルスウイルスを多く保持している場合、生まれたあかちゃんにウイルスが感染し、キャリアといって体の中に長期間ウイルスを持つようになり、将来的に肝硬変、慢性肝炎、肝がんになる懸念が高まります。
この母子感染を防止するためにはB型肝炎ワクチンが必要になります。B型肝炎ワクチンの接種により、殆んどの場合には母子感染を防止することが可能となります。まれに免疫がつきにくい方がいますが、この場合は必要に応じてワクチンの追加接種を受ける必要があります。
母子感染防止対策事業として、日本においては妊婦に対するHBs抗原検査が実施されています。健康保険が適用され、陽性妊婦からの出生児への抗HBs人免疫グロプリンの投与及びB型肝炎ワクチン接種を実施しています。
HIVの母子感染
HIV陽性の人の子どもの15~30%が、妊娠中に、もしくは出産時にHIVに感染し、10~15%が母乳を通して感染しています。
母子感染によるHIV感染者は小さい子供のうちに重症のエイズに陥ります。母乳哺育児はエイズ(HIV)感染率が高くなり、出産間際に感染した母親が母乳哺育をすると赤ちゃんに感染させやすいという報告があるようです。
HIVに関しては妊婦早期でのHIV-1感染の診断が小児への母子感染を有意に抑制させることが可能で、妊娠中の36週目からAZTのような抗HIV薬を投与し続けたり、出産時にネビラピンを1回投与すれば、子どもへのHIV感染率は約50%減らすことが出来るとされています。母乳を与えないことも必要です。
現在ではHIVキャリアかどうかは、その場で分かる「即日検査」が注目されています。これまでの通常のHIV(エイズ)検査では結果の通知まで2週間程度かかる場合が多かったようです。
母子感染の予防
母子感染の予防や治療には母体感染の予防・治療、母子感染の3経路の遮断、感染した胎児の治療、新生児の感染の予防の4つがあります。エイズ(HIV)の場合には帝王切開術による分娩が勧められることがあります。また妊婦が未感染でその配偶者が感染しているときには、妊娠中でもコンドームを使用することが推奨されます。
基本的には妊娠前のワクチン接種が理想的とされていますので、不安がある場合には必ず早期に医師に相談するようにしましょう。