前立腺がん
前立腺がんとは、前立腺に発生する病気で癌の一つになります。男性にだけあり、精液の一部をつくる臓器で、欧米では男性の20%がkの前立腺がんで亡くなっているそうです。前立腺ガンの進行は比較的遅いとされており、他の癌などと比較すると予後がよいとされています。罹患率は65歳以上で増加し、日本人の罹患率は、欧米諸国およびアメリカの日系移民より低く、欧米諸国の中ではアメリカ黒人の罹患率が最も高い傾向があります。 根治手術を受けた場合の10年生存率は約80%となっています。
前立腺がんの症状
前立腺がんは「前立腺肥大症」という病気と症状が酷似しており、早期発見が難しいとされてきました。しかしながら近年は、PSA(前立腺特異抗原)検診普及によって、早期発見される場合が多くなっています。進行すると骨に転移しやすいガンで、前立腺自体の症状はありません。腰痛などで骨の検査をした場合に、前立腺がんが発見される事例も明らかになっています。肺転移によってこの病気が発見される場合も多いようです。
転移には、リンパ節を介して広がるリンパ行性転移と、血液中にがん細胞が入って広がる血行性転移があります。リンパ行性転移では、前立腺内の神経周囲のリンパ管内への浸潤が特徴で、そこから膀胱、仙骨、外腸骨、腰部、骨盤リンパ節に転移します。
前立腺がんの予防
予防要因として野菜・果物、カロテノイド(なかでもリコペン)、ビタミンE、セレン、ビタミンD、イソフラボンなどが候補に挙げられています。緑黄色野菜の摂取不足や過度の飲酒、高脂肪の食生活などが 関わっていると考えられています。
・過労や夜更かしを避け、適度な運動と規則正しい生活を心がけましょう。
・水分は十分にとりましょう。
・排尿は我慢せず、すぐにトイレに行くようにします。
・下半身を冷やさないように心がけ、入浴で全身を温めるようにします。
・長旅やドライブなどで長時間座り続けるのはよくありません。また、外陰部の圧迫を避けるために、
できればオートバイや自転車には乗らないほうがよいでしょう。
前立腺がんの原因と治療
若年では家族性が原因の前立腺がんがあるようです。血縁に前立腺がんの方がいる場合には、前立腺がんの罹患率が上がるという研究結果があります。前立腺がんは黒人→白人→アジア人の順に頻度が高いとされており、高脂肪の食事は前立腺がんのリスク要因となります。食事・栄養素等に関しては、現在のところ明確な要因は判明していません。しかしリスク要因としては脂質、乳製品、カルシウムなどが挙げられています。喫煙、体格、アルコールなどの他、身体活動についても、関連の可能性があるかもしれないようです。治療法には、「手術療法」、「放射線治療」、「内分泌療法」、さらに当面経過観察する「待機療法」があります。
手術療法は前立腺、精嚢を摘出し尿道と膀胱を吻合する方法です。放射線治療は放射線を使ってがん細胞の遺伝子を破壊し細胞分裂をできなくする方法です。内分泌療法(ホルモン療法)は転移のある前立腺がんに対して施行される方法です。高齢者の場合や患者本人の希望などにより、手術療法あるいは放射線治療を実施されなかった転移のない前立腺がんに対しても施行されます。待機療法は前立腺生検の結果、比較的おとなしいがんがごく少量のみ認められ、とくに治療を行わなくても余命に影響がないと判断される場合に行われる方法です。
前立腺がんは病気の進行度、病期・ステージごとに治療の方法が下記のようになっています。
T 原発腫瘍
T1 触知不能、または画像では診断不可能な臨床的に明らかでない腫瘍
T1a 組織学的に、切除組織の6%以下に、偶発的に発見される腫瘍
T1b 組織学的に、切除組織の6%以上を越え、偶発的に発見させる腫瘍
T1c 針生検により確認(たとえばPSAの上昇による)される腫瘍
T2 前立腺に限局する腫瘍
T2a 片葉に浸潤する腫瘍
T2b 両葉に浸潤する腫瘍
T3 前立腺被膜を越えて進展する腫瘍
T3a 被膜外へ進展する腫瘍(片葉、または両葉)
T3b 精嚢に浸潤する腫瘍
T4 精嚢以外の隣接組織(膀胱頸部、外括約筋、直腸、挙筋、および/または骨盤壁)に固定、または浸潤する腫瘍