自閉症
自閉症とは社会性や他者とのコミュニケーション能力の発達が遅滞する、先天性の脳機能障害による発達障害の一種のことです。しかしながら現在の医学で自閉症の全てを解明できていません。
自閉症の症状
自閉症児の場合、なかなか言葉が出ない、一旦話し始めた言葉をはなさなくなる場合があるなど、年齢によっても症状の現われ方が異なります。相手の言った言葉を真似して話したり、テレビのCMを場面と関係なく、繰り返したりする行動があります。周囲の人の話すことばを理解していなかったり、言葉の発達の土台であるコミュニケーション力が発達していないことが関係しています。相手の言っていることは大体理解できているのに自分からは話せないといった、理解と会話がちぐはぐになる傾向もあります。
自閉症は知的障害を伴う場合が多いのですが、知的能力(一般的にIQで判断される)が低くない自閉症のことは高機能自閉症(アスペルガー症候群、またはアスペルガー障害)と呼ばれています。
基本的には3歳程度までには自閉症とされる症状が認識できるようになります。特徴は下記の3点となります。
1. 社会的な対人的相互交渉の質的な障害
2. コミュニケーション機能の質的な障害
3. 活動と興味の範囲の著しい限局性
より詳細には①,②,③から合計6つ(またはそれ以上),うち少なくとも①から2つ、②と③から1つずつの項目を含む場合に自閉症と判断されます。
①:対人的相互反応における質的な障害で以下の少なくとも2つによって明らかになる
Ⅰ:目とめで見つめ合う、顔の表情、体の姿勢、身振りなど、対人的相互反応を調節する多彩な非言語性行動の使用の著明な障害。
Ⅱ:発達の水準に相応した仲間関係をつくることの失敗。
Ⅲ:楽しみ、興味、成し遂げたものを他人と共有すること(例:興味のあるものをみせる、もって来る、指さす)を自発的に求めることの欠如。
Ⅳ:対人的または情緒的相互性の欠如。
②以下のうち少なくとも1つによって示される意志伝達の質的な障害
Ⅰ:話し言葉の遅れまたは完全な欠如(身振りや物まねのような代わりの意志伝達の仕方により補おうという努力を伴わない)。
Ⅱ:十分会話のある者では、他人と会話を開始し継続する能力の著明な障害。
Ⅲ:常同的で反復的な言葉の使用または独特な言語。
Ⅳ:発達水準に相応した、変化に富んだ自発的なごっこ遊びや社会性を持った物まね遊びの欠如。
③行動、興味および活動の限定され、反復的で常同的な様式で、以下の少なくとも1つによって明らかになります。
Ⅰ:強度または対象において異常なほど、常同的で限定された型の、1つまたはいくつかの興味だけに熱中すること。
Ⅱ:特定の、機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわるのが明らかである。
Ⅲ:常同的で反復的な衒奇的運動(例えば、手や指をぱたぱたさせたりねじ曲げる、または複雑な全身の動き)
Ⅳ:物体の一部に持続的に熱中する。
自閉症
自閉症は生涯にわたる障害で、残念ながら自閉症は治りません。しかし、症状を改善する事は可能です。自閉症の子供は1000人に一人から二人の割合で生まれてくると言われています。また何故か自閉症のうち、5人に4人は男子で、世界中どこでも同じ割合です。
自閉症児が持っている特徴で他の特徴と深い関連性があるものは、感覚や知覚に異常があることです。聴力に障害は無いが、聞こえていないようであったり、 特定の事象には過敏に反応をしますが、他の事には鈍感である、といったように反応の仕方にムラがみられます。
自閉症の原因
理化学研究所は、神経細胞の生存や分化に重要な神経栄養因子の分泌を調節する遺伝子(CADPS2遺伝子)の異常が、自閉症の発症メカニズムに関係しているとの研究成果を発表しています。日本ではベッテルハイムの著書「虚ろな砦」の影響により、未だ虐待や過保護が自閉症の原因である、「母原病」であるとの認識が根強くあるようです。しかし自閉症は親の教育や生まれ育った環境が原因で自閉症になるということはあり得ないものです。