感染性胃腸炎
感染性胃腸炎とは細菌、またはウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状として、その結果様々なの程度の脱水、電解質喪失症状、全身症状が加わるもののことです。
感染性胃腸炎の症状
感染性胃腸炎には下記のような原因と症状があります。
【ウイルス性胃腸炎】
・ロタウイルス腸炎は主に冬期に乳幼児に多発し重症化する場合があります。
・ノロウィルス(小型球型ウイルス、SRSV)腸炎では汚染された食物(生カキ、サラダが多い)、飲料水などを介して感染し(糞口感染)、学童、成人、老人施設に集団発生することが多くなります。潜伏期は3日間程度で、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、発熱などの胃腸炎症状を引き起こします。発症後1週間は糞便や吐物中にウィルスを排出し、それが新たな感染源となるので注意が必要です。
・アデノウイルス腸炎は3才未満の乳幼児に多く発生し、比較的軽症で発熱が少ないですが、A群ロタウイルスに次いで多くなっています。夏期にやや多くみられます。
・アストロウィルス腸炎は乳幼児が散発性の急性胃腸炎の症状を引き起こします。軽症で嘔吐や発熱も少なくなります。
・札幌ウイルス腸炎は2才未満の乳幼児の急性胃腸炎の原因としては集団発生するものとしてはロタウイルスについで多くなります。
【細菌性胃腸炎(食中毒)】
細菌性胃腸炎の原因はサルモネラ菌属(腸チフス菌およびパラチフスA菌を除く)、ボツリヌス菌、ブドウ球菌、病原大腸菌、腸炎ビブリオ、セレウス菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ、ナグビブリオ、エルシニア・エンテロコリチカ、またエロモナス・ソブリア、エロモナス・ヒドロフィラ、ビブリオ・フルビアリス、プレシオモナス・シゲロイデスなどといった菌もあります。
ボツリヌス菌中毒以外は急性胃腸炎症状を呈し、集団発生が起こりやすくなっています。
症状の発症は下記のように分けられています。
毒素型・・・原因菌が食べものの中で増殖して毒素を作ります。この毒素で汚染された食品を食べたときに発症。感染型と比べて胃腸炎発症までの潜伏期は短くなります。ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌嘔吐型など。
感染型:食品に混入して増殖した原因菌が腸管内で増殖し、毒作用によって胃腸炎症状が発生します。腸炎ビブリオ、サルモネラ、腸管侵入性大腸菌、病原性大腸菌、カンピロバクター等によるものがあります。
中間型:食品とともに摂取された原因菌が腸管内で増殖して毒素を産生し、胃腸炎症状を発症する。腸管出血性大腸菌、毒素原性大腸菌、ウェルシュ菌、セレウス菌腸炎型、エルシニアなどによるものが含まれる。
感染性胃腸炎の予防
子どもや乳幼児、また抵抗力の弱いお年寄りなどは、加熱が必要な食品はしっかり中心部まで加熱したものを摂取するようにします。食品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるといわれています。また食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止することが感染性胃腸炎の予防には重要です。
手洗いは、調理を行う前、食事の前、トイレ後、下痢等の汚物処理や赤ちゃんのオムツ交換等を行った後には必ず行いましょう。また調理器具を使用の都度洗浄して、熱湯消毒するなどといった対策を行い、他の食材への二次汚染を防止するよう、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱をします。
食中毒が発生するにはかなり多量の菌量を要し、少なくとも10万~100万個、多くの人が発症するには1千万個以上必要といわれています。
感染性胃腸炎の治療
基本的に感染性胃腸炎の治療は対症療法が中心となります。嘔吐や下痢などが重症化している場合には点滴などで水分を補給し脱水症状になるのを防ぐまたは改善します。ウイルスに治療効果のある抗ウイルス剤はありりませんが、細菌の種類によっては抗生物質を混ぜる場合もあります。
軽度の症状の場合は、これといった治療はせずに電解質を含んだスポーツドリンクなどを摂取し安静にしていることになります。