百日咳
百日咳とは主にグラム陰性桿菌の百日咳菌による呼吸器感染症の一種です。生後半年前の乳幼児が百日咳にかかると、特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする呼吸困難などを引き起こし、肺炎や脳症を併発する事があるので注意が必要です。チアノーゼが出ていた場合にはすぐに病院へ直行しましょう。
長引く咳が風邪によるものなのか、気管支炎や喘息、百日咳といったものなのか、なかなか解りづらいものです。
百日咳の症状
百日咳は1、2週間の潜伏期間を経て発症します。症状はその名の通り咳がメインとなります。初期は軽い風邪のような症状のカタル期(約2週間)で次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。中期には重度の咳の発作が起こる痙咳期(約23週間)です。これは特徴ある発作性けいれん性の咳が続き、しばしば嘔吐を伴います。
回復期では激しい発作は次第に減衰し、2~3週間で認められなくなります。しかしその後にも発作性の咳が出る場合があります。上記3段階で計2-3ヶ月程度続きます。徐々に咳き込み方が激しくなっていき、咳のために嘔吐することもありますし、連続的な咳のあとに急に息を吸い込むためヒューヒュー呼吸音が鳴るなどといった症状もあります。また中耳炎を併発することもあります。
百日咳は、子どもの病気というイメージがありますが、近年は成人でも、2週間以上続くような咳の症状がある場合、そのうち二割程度が百日咳菌が関与してるとの研究結果が発表されています。しつこい咳がなかなか収まらないようであれば、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。
初期症状は殆ど風邪と見分けが付かないので、注意が必要ですね。
百日咳の予防
ワクチン接種による百日咳免疫の持続期間は約4から12年間といわれており、約90%は発展途上国の小児が発症する病気です。死亡率は2%程度あります。
母親からの免疫(経胎盤移行抗体)が期待できないため、乳児期早期から罹患し、1歳以下の乳児、特に生後6 カ月以下では致死率が高くなります。日本では小児期に三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)による予防接種が行われていて、三種混合ワクチンの接種は、通常計4回ほど行われます。DTaPワクチンの接種開始年齢は94年10月から、2歳から3カ月に引き下げられており、接種率が上昇するとともに百日咳の患者数も減少に転じています。
百日咳の原因と治療
グラム陰性桿菌である百日咳菌の感染が原因となりますが、一部ではパラ百日咳菌も百日咳の原因となるようです。感染経路は、鼻咽頭や気道からの分泌物による飛沫感染や、接触感染が殆どとなる。
百日咳菌の治療では、カタル期にエリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬が用いられます。早期に投薬しないと効き目があまりありません。全身的な水分補給も必要です。