チック症(子供と大人)
チックとは不安、ストレス、緊張、心の葛藤などがきっかけでおきることが多い、ある種の「癖」です。成人した大人でも続く場合がありますが、一般的には乳幼児から学童期まで、心と体の成長・発達の過程で多くの子どもにみられる症状になります。発症年齢は、3歳前後の幼児期から始まり(初発)、8歳程度までの学童期に多くみられます。男児に多い傾向があります。チック症はこの状態が慢性化して固定し、症状が激化した場合に診断されます。
第1部 幼児・学童期編(「自閉症」を正しく理解して―自閉症とそれに似た発達障害/落ち着きのない子、乱暴な子、言ってもわからない子…それって病気のせい?―ADHDとLD/チックは体質?それとも心の病気?―チック症とトゥレット症候群/しゃべれない?しゃべらない?―吃音と選択性緘黙 ほか)/
第2部 思春期編(思春期とつきあう/不登校とひきこもり/え?脳が故障する?!―統合失調症/気分はジェットコースター―思春期の気分障害 ほか)
チックの症状
チック症では、ピクピクっとした素早い動きなどが、本人の意思とは無関係に繰り返し起こるものです。一番多いのは瞬きといわれており、そのほかにも、肩をぴくっと動かす、顔をしかめる、首振り、口すぼめ、肩上げ口を曲げる、鼻をフンフンならす、など様々です。飛び跳ね、足踏み、足けりなど全身に及ぶ運動性チックと呼ばれるものもあります。
叫びや単語を連発する発声チックもあります。ため息のように声や、咳払いがめだちます。中には意味のある言葉(それも「バカバカ」などの汚い言葉)を絶えず口にすることもあります。いずれも、わざとやっているのではなく、本人の意思で止めようとしても止められません。
成人した大人の場合には治療は難しくなります。
チック症の治療
出来うる限り、大人が子供を「リラックス」するようにしてあげましょう。うまく言葉にできない時など、「早くしなさい」「きちんと言いなさい」とプレッシャーをかけたりする事は逆効果となります。また大人が言わずとも態度が解ってしまうと、子供はそれを益々気にするようになってしまいます。緊張感が高まらないような配慮をしてあげるようにしましょう。精神的にゆったりとしていられるような環境づくりがチック症の治療には大切です。
慢性多発性のチック症(トゥーレット症候群)は、学童・思春期に比較的多くみられます。多様性の運動チックと、1つ以上の音声チックが長期間にわたって続くチック障害のことです。「トゥレット症候群」では衝動的、攻撃的になり、強迫性障害、学習障害、不登校の他、自分や他人を傷つけるという深刻な症状が出現することもあります。
治療は「チック症という病気を治すのではなく、チック症の子どもを治療する」といわれています。症状が軽い場合には、大人(親)へのカウンセリングを含めて、行動療法的なアプローチが有効とされています。比較的重症な場合には薬物療法(ハロペリドールなどの向精神薬)が行われます。いずれの場合にも本人が症状を気にし過ぎないようにして、全身運動での発散に関心を向けます。興味を抱いて熱中できるものをもたせてあげると効果があります。
チックの原因
不安、ストレス、緊張、心の葛藤などがチック症のきっかけであるとも言われますが、そのような状況でなくても起こる事があります。身体因(チックの中枢として脳の線状体の障害説など)と心理的要因が相互に関連しているようです。
大人の場合には、症状が固定化されており治療は難しいとされています。子供なら小児精神科、成人なら精神科にいって診断をうけましょう。