ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群とは腎臓内の糸球体に障害が発生して、タンパク質が多量に糸球体から尿に濾過されてしまうことで、尿細管から血管への再吸収が間に合わなくなり、多量のタンパク質が尿と一緒に漏れ出てしまう疾患です。ネフローゼ症候群は小児でもかかる病気です。
ネフローゼ症候群の症状
ネフローゼ症候群は小児期より成人期に渡り慢性的経過を生じます。その間には再発や増悪をくり返してしまう症状多く、病型、病態により臨床経過は多様なようです。症状としては大量の蛋白尿、低アルブミン血症(アルブミンという蛋白が低くなる)以外にも、浮腫、高コレステロール血症をきたす症候群などとなります。
ネフローゼ症候群の診断基準としてタンパク尿、低タンパク血症、高脂血症、浮腫の4大症状が診断基準となります。この場合にも大人と小児では診断基準が異なります。
腎臓機能の低下が進むと尿毒症の症状がでてきます。
ネフローゼ症候群の検査
尿検査:24時間蓄尿検査(タンパク尿の検出)
大人・・・1日の尿タンパク量が3.5g以上を持続
小児・・・3.5g/日あるいは0.1g/kg/日、あるいは早朝起床第1尿で300mg/dl以上の尿タンパクが3~5日以上持続するもの
低タンパク血症:
大人・・・血清総タンパク量が6.0g/dl以下(血清アルブミン量3.0g/dl以下)
小児・・・総タンパクとして、学童および幼児 6.0g/dl以下、乳児 5.5g/dl以下
アルブミンとして、学童および幼児 3.0g/dl以下、乳児 2.5g/dl以下
高脂血症:
大人・・・血清総コレステロール量が250mg/dl以上
小児・・・血清総コレステロールとして、
学童 250mg/dl以上
幼児 220mg/dl以上
乳児 200mg/dl以上
血液検査:赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットの減少、総タンパク、アルブミンの減少、コレステロールの増加、ナトリウムの低下
腎機能検査:クレアチニン・クリアランス(糸球体機能検査)、β2-ミクログロブリン(尿細管性タンパク尿)
ネフローゼ症候群を、病理組織型でみると、微小変化型ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症、膜性腎症、びまん性増殖性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎などがあります。
ネフローゼ症候群の治療
ネフローゼ症候群の治療は、症状や患者さんの状態・年齢に応じて安静、食事療法(塩分制限)、薬物療法(ステロイド薬、免疫抑制薬など)を行います。薬物療法は投与量・投与日数などに注意し、副作用や感染症にも注意を払う必要があります。
食事は高エネルギーかつ良質なタンパク質を摂取し、食塩に関しては制限が必要となります。むくみなど症状がひどい場合によっては、食塩をゼロにすることも必要となります。
いずれの場合もネフローゼ症候群は入院治療の対象となります。小児の場合には微小変化型が多いとされており、副腎皮質ステロイド薬が有効な場合が80%以上となります。
治療のベースとなるのはネフローゼ症候群発病期に安静や保温に努めること、さらにはむくみの症状が激しいときには安静を守り、風邪といった感染症に注意することが大切になります。